ふじもとです。
週末のネットニュースにこんな見出しがありました。
「千秋 遠藤と娘の誕生日を祝う」僕はこれを見て、「遠藤と娘が同じ誕生日なのかな」と思いました。
ところがクリックすると、こんどは違う見出しが。
「千秋 娘の誕生日を元夫遠藤と祝う」比較すると、最初の見出しは誤解を招きやすい表現になっています。
実際には、遠藤と一緒に娘の誕生日を祝ったわけですが、
「遠藤と娘が同じ誕生日」とも読めます。
13文字という制限のなかでこうなってしまったのでしょうか。
井上ひさしさんの本に載っていた話です。
「黒い目のきれいな女の子」。
これだけの短い文に実は十八通りの意味あいがあるのです。『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』(新潮文庫)本当に18通りもの解釈ができるのでしょうか。
確かめてみましょう。

まず、「女の子」を一語ととるか「女」の「子」ととるかで解釈が分かれます。
「女の子」を一語とする場合は3通りの解釈が可能です。
【解釈1】 「黒い目のきれいな」「女の子」
……女の子が、黒くてキレイな目をしているということ。
【解釈2】 「黒い目の」「きれいな」「女の子」
……女の子が黒い目をしていて、しかもキレイだということ。
【解釈3】 「黒い」「目のきれいな」「女の子」
……女の子の肌の色が黒く、またきれいな目をしているということ。
「女の子」を「女」の「子」に分けて解釈する場合はどうなるでしょう。
まず「女」に焦点を当てます。

【解釈4】 「黒い目のきれいな」「女の」「子」
……女は黒くてキレイな目をしている。その女の子供。
【解釈5】 「黒い目の」「きれいな」「女」の「子」
……女は黒い目をしている。しかもキレイだ。その女の子供。
【解釈6】 「黒い」「目のきれいな」「女の」「子」
……女は肌の色が黒い。またキレイな目をしている。その女の子供。
さて、同じことを「女」ではなく「子」に当てはめることもできます。

【解釈7】 「黒い目のきれいな」「<女の>子」
……ある女には子供がいる。その子は黒くてキレイな目をしている。
【解釈8】 「黒い目の」「きれいな」「<女の>子」
……ある女には子供がいる。その子は黒い目をしてる。またキレイな子でもある。
【解釈9】 「黒い」「目のきれいな」「<女の>子」
……ある女には子供がいる。その子は肌が黒い。またキレイな目をしている。
さらに、修飾語が「女」と「子」に別々にかかる場合もあります。

【解釈10】 「黒い目の」「<きれいな女の>子」
……その子供は黒い目をしている。また、キレイな女がその子の母親である。
【解釈11】 「黒い」「<目のきれいな女の>子」
……その子供は肌が黒い。また、目のキレイな女がその子の母親である。
結論からいえば、日本語としてまあ許されるだろうという解釈は
ここまでの11パターンではないかと思います。
(あとの7つも考えてみたのですが、
強引すぎて間違いの部類に入りそうなので、ここでは割愛)
それにしても11通りも解釈ができるとはオドロキです。
井上ひさしさんもこう言っています。
「つまり、点を打つ時は、点を打つ。
誤解が起きそうだったら、語順を変えてみる。
そういう点検をしないといけないわけです。」簡潔に、分かりやすく。
CMの原稿はもちろん、日常のいろんな場面で、
この技量が求められそうですね。
(ふじもと)
posted by ランダムハウス at 15:38|
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